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こうみそだて その9 「ママたちとの出会い」
こうみそだて その9 「ママたちとの出会い」
▲こうみそだて


 
 子どもが成長するにしたがって、親もそれまで経験しなかった社会へと出て行くわけで、これがいわゆる「子どもを通した親同士の関係」の始まりであり、親の意思とは関係なく入らざるを得ない「社会」なのである。
 文京区音羽で起こった幼児殺害事件は、母親同士の確執が原因だという報道もあったが、それほど親、とくに母親同士のコミュニティは一種独特のものがあり、ドツボにはまるとアリ地獄に沈みこんでいくような恐怖がある。
 子どもを幼稚園に通わせている専業主婦の友人に聞くと、幼稚園バスの停留所で子どもを預けてから仲良しグループとお茶をして、そのまま停留所に子どもを迎えに行き、さらに今度は親子で誰かの家に行き、子どもたちの遊ぶ傍らで親同士はお茶するのだという。「いったい、一日何時間いっしょにいるの?」と聞くと、「7時間くらい」だといい、彼女はストレスが溜まりに溜まって、今は一日も早く子どもが幼稚園を卒業してくれないかと祈る日々だとか…。

 私も最初は、ドツボにはまらないように親の動向をうかがいながら朝のあいさつを交わしていたのであるが、まあ保育園なので親はみな働いているわけであり、子どもを預けたら長時間話している暇もないのであって、「密」な付き合いはそれほどなく、楽であった。しかも、たいていの親はマトモで、子どもを大事に思い、だからほかの子どもやその親とも仲良くしようという前向きな感じで、安心したものだった。

しかし、数ヶ月たって、一定の母親たちともある程度仲良くなり、それぞれ時間のあるときに小一時間くらい、ファミレスでお茶する(もちろん、無料ドリンクバーチケットで。最初はさすがに抵抗ありました)ことが一ヶ月に一度くらいの割で入るようになった。ここで驚いたのは、母親たちの「専業主婦」志向の高さであった。できれば働きたくないけれど、夫一人の月給じゃ食べていけないから、しかたなく働いているというのだ。たしかに、やりたい仕事、楽しい仕事に就ける人はわずかしかいないにしても、どのような労働であれいくらかの賃金をもらうということはやはり尊いと私は青臭くも思うわけであり、母親たちの多くに蔓延している専業主婦志向には正直驚いた。いくらかでも賃金を得ているというプライドがあるとばかり、世間知らずのようですが思っていたのです。

 それに加えて、働いている彼女たちの連れ合いは家事をほとんどやらないと言うので、これにも大いにびっくりした。なかには、「朝は絶対に炊き立てのごはんとお味噌汁じゃないと怒る」とか、「夕食のおかずは五品以上」とか、「休みの日に掃除機かけるとき寝ていてじゃま」「子どもと遊んでくれない」「市販の惣菜はダメという」…など出るわ出るわ、亭主への愚痴の数々! 私は他人事ながら大変怒り心頭して、「こっちだって働いているのに!! 何も言わないでやっているの!?」と聞くと、「だって、言っても変わらないし」「しょうがないよねー」とあきらめモード。
「うちは、土日はダンナがごはんを作るし、平日の後片付けは彼担当。子どもがいないときは洗濯も別にしていたよ」というと、反対に非常に驚かれ、「いいねー」と口々に言われたのであった。だから「これだけはやって、とか、ひとつだけでもお願いしてみたら――」と提案したのだが、「そうねえ…」となんだか上の空で、「ああ、結局なんだかんだ言っても、このままでいいんだ。たまに、こうして愚痴を言い合って、みんなそうなんだよねえ、仕方ないよねえ、と確認しあえればいいんだ…」ととっさに感じて、もうこれ以上この手の提案はしなかった。

 母親だけが家事をする家庭で育った子どもと、そうでない家庭で育った子どもとはおのずと違ってくるのだろうと思われる。私自身、母親は専業主婦であったが、父親がまめな人で、時折サバの味噌煮を作ってくれたり(←得意料理)、トイレットペーパーがなくなれば買ってきたりということが平気なタイプであった。だからかもしれないが、「男はこうあるべき、女はこうあるべき」とえばっている人は大の苦手である。

 先日、娘が保育園で仲良しだった女の子がうちに遊びに来た。その子の母親がよく働く人で、こまめに料理を作ったり、手作り品を作ったり、働いているのにいつやる?というほどよく家事もする人だった。たしか、睡眠時間は2〜3時間だと言っていたことがある(ちなみに、私は10時間でも眠れますってオイ!)。夕方になって、その日は休日だったので、連れ合いが夕食の下ごしらえをはじめると、いすに座って新聞を広げて読んでいた私のところへ来て、その子が「お母さんは働かなくちゃだめでショー。ご飯、作るんでショー」とポンと頭を叩いたのであった。そのとき、その子の家の様子が手に取るようにわかって、「うちはね、休みの日はお父さんがごはんを作るから、お母さんはラクしてていいのヨ」と言うと、「ふーん」となんだかわかったようなわからないような返事をした。
 娘も、お友達のうちに行って、これから「うちとは違う」家庭をいろいろ見てくるんだろう。そして、遊びに行った友達のお母さんに、「うちはパパがご飯を作るよ。パパのご飯のほうがおいしいの」と言って、驚きあきれられることだろうと思うと、なんとなく楽しくなってくる私である。(つづく)
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