こうみそだて　その２３　「ＰＴＡはじめてものがたり」②

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		こうみそだて　その２３　「ＰＴＡはじめてものがたり」②	▲こうみそだて

■はじめに　　　Ｂｙ　くまこ
　子育てをめぐる書物は世の中にうんざりするほど出ているわけで、有名な先生から一介の主婦まで様々な視点で書かれており、「もう十分」と思っている人も多いだろう。しかし、子を産み育てる当人にとっては、日々これ発見なわけで、この「発見」を人に問うて見たいという気持ちは誰にも止められない。とゆーわけで、私も一人の子を産み育てつつあるなかの「発見」を、この「いまどこ」紙上（※）を利用して同世代の皆さんに問うてみたいと思っています。

※「いまどこ」 2002年11月創刊。現在休刊中。基本的に30～40代の人たちに、毎月お題を振って自由に語ってもらうフリーペーパー。「こうみそだて」は「いまどこ」に毎月連載していたものです。

　新二年生のお母さんが、ＰＴＡ役員、しかも副会長に決まったといううわさは、瞬く間に広がったらしく、あちらこちらで訊ねられてしばらくは辟易したものだった。そのたびごとに、「なりたくてなったわけじゃないんです…」と伝えなければならず、大変疲れた(嬉々として受けたと思っていた人も少なからずいたのだ。じょーだんじゃない!!←怒ってマス)。
　が、しばらくすると今度は、「くまこさんは無理やり副会長にされたらしい」といううわさがまことしやかに流れ始め、これにも困った。ただ、推薦委員でお願いの電話をしてきたＭさんはひたすら詫びてくれて、自分が推薦したばっかりに…と早々に謝りの電話をくれたり、励ましやねぎらいの電話、メールをくれた学童やクラスで顔なじみのお母さんたちもいて、これは本当にうれしかった。

　しかし、ここで思い知ったことは、母親同士の情報網のすごさである!!　ちょっとした立ち話が、翌日には確実にほかの親の耳に入っていく…その伝達の速さ広さは驚愕に値する(←光通信も真っ青!?)。今年一年はめったやたらなことは言えないな…と肝に銘じた一件であった。ＰＴＡ活動する前にすでにこのありさま…。無事、一年出来るのかよーと不安ななか始まった第一難関がまもなくやってきた。
　ＰＴＡ役員になってはじめての仕事、予算案会である。新年度の予算案を決定するということで、三月末の土曜日、学校側からは校長・教頭、保護者側からは昨年度と新年度のＰＴＡ役員、昨年度の各部(ＰＴＡ役員、いわゆる本部の下に、学年・広報・文化・校外・バザーの各部がある)の部長が出席して行われる(←いやー組織ですねー)。
　わけもわからず、「一時間くらいで終わるから」と家族に言い残し、気軽に出てきた私が甘かった。ＰＴＡ予算が減り続け、今後どうＰＴＡとして活動していくかという大問題をかかえていたのである!!(そ、そんなあ…)。まあ、考えてみれば、年々児童数が減っているので当然のことながらＰＴＡ会費は減る。今のままでは当然マイナスになってしまうだろう。だからといって、会費を簡単に値上げすることもできないし…。毎年行われるバザーの規模を大きくするか、いや、これはもともと児童の遊びの場をＰＴＡが作り、子供たちに楽しんでもらうのが目的であって、バザーが主ではない。模擬店にかかる材料費協力を今年は地域から望めないが、どうするか。各部の予算をどうカットするか…など、いくらたっても埒が明かない。

　結局、「子どもにかかる予算はそのまま」「教師・父母関係の予算を減らす」ことで同意。運動会の来賓への弁当を廃止する、転勤・退職する先生へのお礼の品の金額を下げる、などでどうにか決着した。

　一時過ぎから集まって終わったのが五時…!! (←半日つぶれ)　がしかし、クタクタになりながらも、「毎年、こんなふうに予算を決めているんだなあ。それにしても、先生も親もやはり子どもを一番に考えてるんだなあ」とちょっと感動したりもした。帰宅後、興奮気味に予算案会議の様子を話す私を見て、「…まあ、がんばってね…」とあまり興味なさそうな連れ合いであった。

　それから一週間後。前任の副会長から引継ぎの日。いよいよ正式に業務がバトンタッチされるわけだ。ところが、前任者から渡された資料を見て「えっ？」と思わず声に出してしまった。Ａ４判・厚さ五センチのファイルが二つ、手渡されたからである。さらに、「まだ、全部はそろっていないんだけど…ごめんねー」と追い討ちの一言が…(←くまこ絶句!!)
（つづく）

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