全国商工会青年部連合会
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情報特派員より2:山形県青連 鈴木治久
写真全国の皆さんはじめまして。私は、山形県の情報特派員・鈴木治久と申します。
私の住む、山形県尾花沢市は、東北地方の山間の小さな市で、一言でいえば「雪とスイカと花笠のまち」です。

日本三大積雪地の一つである“尾花沢”は、花笠音頭にも「雪をながむる尾花沢」と…唄われています。生活上、雪は大変ですが、雪化粧した銀山温泉はとても情緒深く一見の価値アリです。

全国的にも有名な“尾花沢スイカ”は、寒暖の激しい当地ならでは気候が作る、シャリッとした食感が人気の尾花沢を代表する農産物です。

また、“尾花沢”は、花笠踊り発祥の地で、徳良湖築堤工事の際、作業する人に笠を仰いで風を送ったのが始りで、山形市の花笠とはまた違う、豪快な笠廻しが特徴の踊りです。8月28日には、市内中心部でパレードが行われます。ぜひ一度見に来てください。
写真さて、私たち尾花沢市商工会青年部の活動をご紹介しましょう。まつりの協力はもちろんですが、当青年部の主管事業として「遊蛍道事業」と「鼓遊会事業」というものがございます。その中で、「遊蛍道事業」を少しお話させていただきます。

遊蛍道事業は、“街のド真ん中にホタルを飛ばそう”と市内中心部でホタルを自生させる活動を行っています。昔見た光景を、今の子ども達にも見せたいという思いから始まった事業で、今年で6年目を迎えました。

私の育った30年前は、住宅地を抜けると水田や水路でホタルを見る事ができました。
写真なぜ、ホタルは街の中で見られないのか?それは、ホタルにとって現代では街が明るくなったからというのが一つの原因でした。ホタルは自分より強い光を見ると光ることをやめてしまいます。

街路灯や、商店、住宅、さらにはナイター設備など街中には強い光がいっぱいです。

私たちは、地域に住む住民の方に夜カーテンを閉めてもらうなど協力をいただき、今では、私たちのみならず、地域の方々と意見を交換しながら進めております。住民の方の中には、我がことのように思ってくださる方も多く、大変ありがたく思っております。
写真今までの観察の中で、ピーク時には150匹を超えた時もありました。昨年、今年は50匹くらいが最高です。ここ最近の気象の異常のせいでしょうか。梅雨らしくない梅雨、ゲリラ豪雨、日ごとに変わる気温、さらに今日のテレビでは、南アメリカに大雪(1ミリくらい)が降り、寒波の影響で死者が出るなど何かイヤな予感を感じさせる気候。
また、ホタルは“環境指標昆虫”ともいわれる生物で、環境の良いところにしか生息しないようです。農薬や生活排水などの影響を受けるといなくなってしまいます。つまり、ホタルがいるということは、環境が良いということなのです。
写真私たち商工会青年部の活動として、“子ども達に見せたい”という思いと同じくらい、“地域の環境を良くしたい”と考えています。食の安全という言葉は、私たち田舎暮らしの者はあたりまえに考えていますが、都会の方とお会いした際、食の安全について、何よりもうらやましいと言われました。

尾花沢の基幹産業は農業です。農家が潤わなければ、商いをしている私たちも潤いません。ホタルの飛ぶ地域で採れる米、野菜が悪いはずはないと考えています。また、少子高齢化の進む田舎では、人口の減少は大きな問題です。商店街の存続、地域の存続も危ぶまれます。

そんな中で、良い環境、ホタルを見れる環境、子どもを育てやすい環境、しいては、愛着の持てる故郷にして行きたいと考えています。働く場の問題もあり、地元を離れる若者も多いですが、帰って来たくなる故郷にして行きたいと思います。

山形県青連 情報特派員 鈴木治久