全国商工会青年部連合会
border=0

政策委員会コラム
皆さんこんにちは。奈良県商工会青年部連合会の井上です。今年もいつのまにか師走となっておりますが、体調管理には十分気をつけて、家業にそして青年部活動に励みましょう。

先月は東京において主張発表全国大会が開催されました。全国各地からご参加ご協力いただき本当にありがとうございました。


さて、ここ数年、県大会・ブロック大会・全国大会を問わず、全国各地の主張発表大会において、市町村合併による商工会組織の苦悩そして打開策などが発表されております。市町村合併に伴い、それぞれの地域における住民サービス・事業展開などに、良くも悪くも大きな影響を与えたのは事実であります。そこで、今回は市町村合併の話題!


今年3月、総務省から「『平成の合併』について」の公表がなされました。


1. 合併による主な効果

 (1) 専門職員の配置など住民サービス提供体制の充実強化

 (2) 少子高齢化への対応

 (3) 広域的なまちづくり

 (4) 適正な職員の配置や公共施設の統廃合など行財政の効率化



2. 合併による主な問題点・課題

 (1) 周辺部の旧市町村の活力喪失

 (2) 住民の声が届きにくくなっている

 (3) 住民サービスの低下

 (4) 旧市町村地域の伝統・文化、歴史的な地名などの喪失


平成11年から平成17年までは、合併特例債や合併算定替の大幅な延長といった手厚い財政支援措置により、自治体数1,000を目標に合併が進みました。その結果、目標値には及ばないものの3,232あった市町村数は1,730になりました。しかし、地方自治法上の市の人口要件である5万人に達しない市町村が1,185と、全体の約7割を占める結果となっております。


合併本来の効果が現れるまでには10年程度の期間が必要と考えられているため、現時点では短期的な影響の分析となりますが、行政側と住民側の評価が一致しているとは言い難い結果となっています。平成20年10月に、全国町村会がまとめた内容によると、「市町村を合併に向かわせたのは、財政問題、国・府県の強力な指導」であり、国の合併推進策の問題点を指摘しています。その上で、今後の市町村の課題として、地域共同社会の実現が必要であるとしています。


今回の「平成の大合併」により、これからの地域のあるべき姿、そして我々の成すべきことが明白になってまいりました。公務員の数は約15%、議員の数も相当減少し、また行政の無駄をなくしコストを削減する。しかし、サービスを今まで通り提供するためには、行政だけが支える仕組みでは不可能であります。地域にあるコミュニティ組織、NPO、住民、企業の力を集結し、行政が地域と協働を進めることによって、地域で必要となるサービスを地域全体で支える仕組み作りが必要であります。つまり、




 (1) これからの地域主権社会を支え、住民の負託に応えていけるよう行政職員の体制強化とモチベーションアップ

 (2) 地域を支えマネジメントできる人材(リーダー)の育成と確保




が必要不可欠であります。


全青連宮本会長は、合併により生み出される、または期待できる効果として、「住民が主体性を持つ」「住民の意識レベルの向上」「自立する地域への成長」などを挙げています。そして、我々が責任世代として地域をけん引する役割を担うリーダーにならなければならない。それがまさに、「自立」から「自律」であると。


我々には、それぞれの地域で、守るべきものがあります。家族、事業所、従業員、友人、燐人、歴史、文化、風土、故郷、そして、大切な思い出…。


青年部に定年はあっても、地域のために行動することに定年はありません。むしろ、永遠に現役です。合併に賛成した地域、反対した地域は様々ですが、これからの時代に合った志と創造力と行動力を以って、その地域のリーダーとして共に活動してまいりましょう。


全ては「平成の大合併」から、新たに始まる自分たちの未来のために。
掲載全青連メールマガジン2010.12月号